グレイスケール・ビットコイン・トラストの割引率が10%に縮小──BTCとETHは堅調な値動き | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
- ビットコインとイーサリアムは、グレイスケール・ビットコイン・トラストのディスカウント率が縮小したことや、ビットコインとイーサリアムの現物ETFが承認されることへの期待が高まったことが好感され、アジア市場で堅調に取引を開始した。
- 市場の楽観論は史上最高水準にあり、投資家の資金流入は今年10億ドルを超えた。今週のアメリカの経済データと連邦準備制度理事会(FRB)の発表が暗号資産市場の動向にさらに影響を与えると予想される。
今週のアジア取引時間は、ビットコイン(BTC)は3万7000ドル付近、イーサリアム(ETH)は2000ドル超で始まった。価格は先週の上場投資信託(ETF)に関連した上昇からほとんど変化せず、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)のディスカウント率は2021年7月以来のレベルまで縮小した。
YChartsのデータによると、GBTCの純資産価値に対するディスカウント率は10.35%。これは、昨年12月のFTXに起因する暗号資産の冬に記録された約50%から縮小している。
先週、米CoinDeskはアメリカ証券取引委員会(SEC)がグレイスケール・インベストメント(Grayscale Investments)と信託をETFに転換することについて協議を開始したと報じた。これが成功すれば、市場に大きな勢いと流動性がもたらされるだろう。
グレイスケールは米CoinDeskの親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)が所有している。
ビットコインファンドの保有残高は、アメリカでビットコインのスポットETFが承認されると予想されることに対する投資家の熱狂に後押しされて史上最高を記録しており、今年の資金流入総額が10億ドル(約1500億円、1ドル=150円換算)を超えたことをCoinDeskは最近報じた。
また、ファンド運用大手のブラックロック(BlackRock)がイーサリアムをベースとしたETFの発行を計画していると先週発表したことで、市場のセンチメントも上昇している。この発表のニュースはETHを7カ月ぶりの高値に押し上げ、その上昇はビットコインを上回った。
Diffuse Fundsのケニー・エステス(Kenny Estes)CEOはCoinDesk TVのインタビューで、ブラックロックがイーサリアムETFの申請を決定したことは、同社がビットコインETFが承認されることを強く確信していることを示していると述べた。
「その最大の理由はブラックロックが申請書を提出したことだ」と彼は述べた。「イーサリアムの申請を出しているということは、私には、承認されることがあらかじめ決まっているように思える」。
一方、WOO Networkの調査によると、分散型取引所(DEX)での取引活動も、トレーダーがETFの承認を見越してアルトコインからイーサリアムにサイクルアウトしているため、6カ月ぶりの高水準となっている。
WOO Ecosystemのバイスプレジデント、ベン・ヨーク(Ben Yorke)氏は、米CoinDeskと共有したメモの中で、レイヤー2ブロックチェーンに言及し、「最近の極端な市場のボラティリティは、アービトラム(Arbitrum)が依然としてレイヤー2のレースでリードしており、24時間取引量でオプティミズム(Optimism)の6倍、Baseの25倍を獲得していることを示している」と述べた。「とはいえ、明らかなのは、イーサリアムが依然として最終的なボスであり、すべてのレイヤー2のスケーリングソリューションを合わせた取引量の2倍以上を統括しているということだ」。
暗号資産トレーダーは、今週後半に発表が予定されているコア消費者物価指数(CPI)データと小売売上高データに注目するだろう。また、ジョン・ウィリアムズ(John Williams)ニューヨーク連銀総裁の講演は金利の行方を占う手がかりとなるではずだ。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:グレイスケールのマイケル・ソネンシャインCEO(Shutterstock/CoinDesk)
|原文:Grayscale Discount Continues to Narrow as Spot Bitcoin, Ether ETF Euphoria Works Through Markets