ハット8が1億5000万ドルの投資を獲得──エネルギーを求めてAI企業がビットコインマイニング企業に接近 | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
- コーチュー・マネジメントは、AI関連のインフラ構築のため、暗号資産マイニング企業ハット8に1億5000万ドルを投資している。
- この取引はハット8の株だけでなく、ソルーナ・ホールディングスやアプライド・デジタルなど他のビットコインマイニング関連のデータセンター株にも恩恵をもたらした。
- コーチューは、ハット8の競合であるコア・サイエンティフィックを買収しようとしているクラウドコンピューティング企業コアウィーブにも出資している。
人工知能(AI)企業の電力への渇望は止むことがなく、ビットコイン(BTC)マイニング企業はそれを資金に換えている。
ハット8に1億5000万ドルの投資
マイアミを拠点とするビットコインマイニング企業のハット8(Hut 8)が人工知能(AI)インフラの構築のためにコーチュー・マネジメント(Coatue Management)から1億5000万ドル(約232億5000万円、1ドル155円換算)の投資を受けたことで、ハット8の株価は24日に上昇し、ほとんどの同業他社を上回るパフォーマンスを示した。
声明によると、資金調達は転換社債を通じて行われ、年利8%、転換価格は1株当たり16.395ドルとなる。ハット8の株価は24日午前の取引時間帯で4%近く上昇した。一方、同社の同業他社の大半はビットコインの下落に追随している。
この投資は24日、同様にAIやハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)にサービスを提供する他のビットコインマイニング関連のデータセンターの株価の上昇材料になった。ソルーナ・ホールディングス(Soluna Holdings)は17%近く急騰し、アプライド・デジタル(Applied Digital)は約10%上昇した。
AI企業がマイニング業界に注目
AIやハイパフォーマンスコンピューティングの企業は、コンピューティングパワーの需要を満たすためにビットコインマイニング業界にますます注目するようになっている。マイニング企業は、AIやハイパフォーマンスコンピューティングが切望するコンピューティング能力や電力供給業者との契約をすでに持っている場合が多いためだ。実際、JPモルガン(JPMorgan)は、大規模データセンターとAI企業の電力需要によって、魅力的な電力契約を持つビットコインマイニング企業の合併や買収が行われる新しい時代が始まる可能性があると指摘している。
最近では、クラウドコンピューティングプロバイダーのコアウィーブ(CoreWeave)が、AI関連サービスをめぐりマイニング会社コア・サイエンティフィック(Core Scientific)と200メガワット(MW)の契約を結び、同社を10億ドル以上で買収することを提案した。コア・サイエンティフィックは、過小評価しているとしてこの買収を拒否した。
興味深いことに、コーチュー・マネジメントはコアウィーブの投資家の一つであり、ビットコインマイニング企業の現在のインフラを活用してAI関連サービスを強化することへの関心の高さがうかがえる。
ハット8は24日のプレスリリースでこの電力の必要性を再確認した。
同社は、「従来のデータセンター運営者の多くは、電力不足、新規の能力をオンラインで利用できるようになるまでの長いリードタイム、最新世代の高密度コンピューティングをサポートするために既存のデータセンターに必要な大規模なアップグレードが理由で、急増するAIコンピューティング能力への需要を満たすことができていない」と説明した。ハット8は、この差を縮めるのに貢献できるとしている。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|翻訳:エネルギーへの渇望がAI企業をビットコインマイナーに誘致し、Hut 8が1億5000万ドルの投資を受ける