ビットコインが一時7万1000ドルを突破──1億ドル以上のショートポジションが清算 | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)

  • ビットコインはアジア取引時間に7万1000ドルを突破した。24時間で5%上昇し、大幅な取引高と1億4300万ドルを超えるショートポジションの清算につながった。
  • この上昇は部分的には、バイナンスでの大口投資家の活動や、過去2週間で4万7000BTCの純増となったビットコイン現物ETFへの資金流入が要因となっている。
  • この急騰は、間近に迫ったアメリカ大統領選挙の影響を受けているが、トレーダーたちは選挙結果に関わらず強気に傾くと考えているようだ。

10月29日のアジア取引時間午前中にビットコイン(BTC)は7万1000ドルを上回り、アメリカ大統領選挙の約1週間前に市場を牽引する動きを見せた。トレーダーの多くは、どちらが当選しても市場にとって強気の材料になると見ている。

CoinGeckoのデータによると、ビットコインは過去24時間で5%上昇し、7万ドルの重要な抵抗線を突破した。取引高は480億ドル(約7兆2000億円、1ドル=150円換算)で、28日のほぼ2倍に達した。

この動きにより、過去12時間で1億4300万ドル(約214億5000万円)以上のショートポジション、つまり価格下落に賭けるポジションが清算され、トレーダーが損失を確定したことで価格が急騰した可能性がある。CoinGlassのデータによると、ビットコインのショートポジションは7300万ドル(約109億5000万円)の損失、イーサリアム(ETH)のショートポジションは3900万ドル(約58億5000万円)の損失となった。

「市場がトランプ氏の勝利の可能性の高まりを織り込みつつあるため、7万ドルに対するショートポジションの一部が清算されている」と、QCPキャピタル(QCP Capital)の共同創業者ダリウス・シット(Darius Sit)氏はテレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。

CryptoQuantのコミュニティアナリストのミニョレット(Mignolet)氏は、買い需要の一部は、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)における「クジラ」(価格への影響力を持つトレーダーの俗称)によるもので、アジア時間帯にこの暗号資産の購入者となっていると指摘した。

バイナンス取引所主導でビットコインの上昇が続く

「現在の #Bitcoin 価格は、米国資本の持続的な流入により、バイナンスのクジラによって動かされています。」 – @mignoletkr より

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— CryptoQuant.com (@cryptoquant_com) 2024 年 10 月 28 日

ビットコイン現物ETF(上場投資信託)は、この2週間で4万7000BTCの純流入となり、需要をさらに押し上げた。

ドージコイン(DOGE)を筆頭とする主要なコインも急騰した。ドージコインは、トランプ前大統領の人気が継続していることを受けて15%上昇し、柴犬コイン(SHIB)は8%上昇した。イーサリアムは4.9%上昇し、カルダノ(ADA)、ソラナ(SOL)、バイナンスコイン(BNB)は3%以上上昇した。

時価総額の大きいトークンを追跡する流動性指数であるCoinDesk 20指数(CD20)は3.3%上昇した。

10月29日の上昇は、11月の大統領選挙を前にしたトーンの変化の中で起こった。トレーダーは、アメリカで共和党または民主党の大統領が勝利するかどうかに関係なく、ビットコインが新たな高値を記録すると予想している。

トレーダーは長い間、共和党のドナルド・トランプ氏の勝利が、暗号資産支持の姿勢とアメリカをビットコイン大国にするという約束により、業界にとって強気のきっかけになると認識してきた。

一方、民主党のカマラ・ハリス氏は同様の約束はしていないが、特定のグループを保護するための規制を導入すると述べた。しかし、いくつかのマクロ経済要因が影響するため、いずれにせよ資産は上昇する準備ができているのだと言う人もいる。

暗号資産オプショントレーダーは、ビットコインが11月末までに新たな高値に達するとの賭けを増やしている。11月8日に期限が切れるオプションは、7万5000ドルの権利行使価格に最大の建玉があり、以前に報告されたように、その時期の重要な焦点を示している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
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