ビットコインクジラの活動が活発化──10万ドル以上の取引が急増 | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
ビットコイン(BTC)のオンチェーン活動は、クジラ、つまり潤沢な資本供給と市場動向に影響を与える能力を持つ投資家が、時価総額最大の暗号資産(仮想通貨)の最近の3万5000ドル超の動きの中で活発に活動していることを示唆している。
ブロックチェーン分析会社のIntoTheBlockが追跡したデータによると、少なくとも10万ドル(約1500万円、1ドル=150円換算)相当のBTCの移動を含むトランザクションの数は先週、年初来最高の2万3400に上昇した。
米CoinDeskのデータによると、ビットコインの価格は先週3万5000ドルを突破し、2022年5月初旬以来の最高値を記録した。その後は3万4000ドル前後で横ばいに推移しており、年初来の上昇率は107%に達した。また、10月に入り、スポット上場投資信託(ETF)の楽観論とヘイブン需要の高まりを背景に、価格は27%急騰している。
IntoTheBlockは10月27日のニュースレターで「ビットコインスポットETFの申請は、クジラや機関投資家のビットコインへの意欲を高めているようだ」と述べた。「ブラックロック(BlackRock)のETF申請後、6月下旬に10万ドル以上の取引が急増していたが、ビットコインが年初来高値を更新したことで、その水準を超えた」。
「最近の機関投資家の動きは、2024年に何かが起こる前触れかもしれない」とIntoTheBlockは付け加えた。
大口取引件数は先週、年初来最高を記録した。(IntoTheBlock)
アメリカ証券取引委員会(SEC)は来年早々にも、複数のスポットETFを承認するとの見方が広がっている。アナリストらは、ETFによるBTCの金融化が間近に迫り、その市場価値は4万2000ドル以上に上昇すると予想している。
ブロックチェーンのデータによると、ここ数週間で個人投資家の動きも活発になっている。
ドイチェ・デジタル・アセット(Deutsche Digital Assets)が追跡したデータによると、個人投資家の活動を測る指標である小規模事業体のオンチェーン活動指数は先週は1.5と、年初来高値を更新した。
ドイチェ・デジタル・アセットのリサーチ責任者、アンドレ・ドラゴッシュ(André Dragosch)氏は顧客向けメモの中で、「小規模および大規模、両方のBTCウォレット事業体の中で、特に小規模な投資家がますます市場に集まってきていることを示唆する活動が増加している」と述べている。これは、ビットコインのブロックチェーン上の送金量の中央値が大幅に増加していることからもわかる。
「新たな小口投資家の参加は、暗号資産の強気相場が持続するための必要条件であることに留意してほしい」とドラゴシュ氏は付け加えた。
このグラフは、ビットコイン市場への個人投資家の参加が再燃していることを示している。(Glassnode, Deutsche Digital Assets)
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:IntoTheBlock
|原文:Bitcoin Whales Take Charge as Number of $100K Transactions Surge