ビットコインETFへの期待復活 保ち合い上放れ後の上値目途は?【仮想通貨相場】 | Cointelegraph | コインテレグラフ ジャパン

著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

6月26日〜7月2日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比46,449円(1.06%)高の4,422,222円と、高値で揉み合いつつも小幅に続伸した。

心理的節目の30,000ドル水準(≒433万円)がBTC相場のサポートとなるなか、米英欧中銀総裁のタカ派的な発言や、堅調な米経済指標が相場の重石となって31,000ドル水準(≒447.8万円)がレジスタンスとなり、底堅くも上値の重い展開が続いた先週のBTCは、金曜日の東京時間にはライトコイン(LTC)とビットコインキャッシュ(BCH)相場の急伸に連れ高で450万円乗せを試すも、買いは続かず、上げ渋る展開を演じた。

この日発表された5月の米個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比で前月の4.3%から3.8%へ鈍化し、コアPCE価格指数も4.7%から4.6%と市場予想(4.7%)を下回る結果となり、米国債利回りが急低下しBTCは再度上値を試した。しかし、直後に米証券取引委員会(SEC)が、昨今提出された現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の申請が不十分だと指摘したとWSJが報じると、BTCは急落を演じ、一時は30,000ドル水準を割り込んだ。

一方、SECの指摘が、取引所価格を参照する暗号資産(仮想通貨)取引所の具体的な社名と、その取引所との監視共有協定(Surveillance Sharing Agreement、SSA)の詳細が不十分だとすることが広まると、SECがビットコインETFの上場申請を否認した訳ではないという安心感から相場は下げ幅を縮小。また、週末の間にウィズダムツリー、インベスコ、バンネック、ギャラクシーとフィデリティの全社が、コインベースを価格参照の取引所としてSSAを結ぶことを加筆し、ETFの上場申請をSECに再提出したことで、現物型ビットコインETF承認への期待感が再び相場の支えになっている。

第1図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成