マイニング大手マラソン傘下の「Anduro」がトークン化プラットフォームを発表──第1号はウィスキー | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
- マラソン(Marathon)が立ち上げたアンデューロ(Anduro)は、ビットコインでのRWAに関する発行および投資のためのプラットフォームを開発した。
- ブロックチェーン技術のさまざまなユースケースと同様、トークン化はビットコインではほとんど行われていなかった。
- マラソンがAnduroを立ち上げたことは、4 年ごとにブロック報酬が半減することに対して各マイニング会社が取引手数料収入の源泉をより多く見つけようとしている傾向を物語っているのかもしれない。
マイニング会社であるマラソン・デジタル・ホールディングス(Marathon Digital Holdings)が立ち上げたマルチチェーンレイヤー2ネットワークであるアンデューロ(Anduro)は、ビットコイン(BTC)で現実資産 (RWA) の発行および投資を行うためのプラットフォームを開発した。
このアバント(Avant)という名のプラットフォームは、トークン化の専門業者である Vertalo と共同で開発された。CoinDesk に対して独占的に公開された発表によれば、ウイスキー樽をトークン化するパイロットプロジェクトが計画されている。
トークン化とは、ブロックチェーン上で取引できるトークンとしてRWAのデジタル表象を発行することを指す。イーサリアムやソラナなどのネットワーク上で取引されるトークン化された債券は、8月に時価総額20億ドル(約2940億円、1ドル=147円換算)を超えた。
「従来型の金融と分散型金融が融合し続ける中、VertaloがAnduroと手を携えて、ビットコインブロックチェーンの耐久性が、ビットコイン(BTC)を超えてRWAにまで及ぶという安心感をパートナーに提供できると考えている」と、Vertaloの共同創業者であるデイブ・ヘンドリックス(Dave Hendricks)氏は述べる。
ビットコインユーザーを意識
ブロックチェーン技術の他のさまざまな用途と同様、トークン化はビットコインではほとんど見られなかった。しかし、近年、スマートコントラクトを導入したり、トークンのミントを容易にする開発により、この状況は変わり始めている。
Anduroのプロダクトリーダーであるジュリアン・デュラン(Jullian Duran)氏によると、AvantはRWAでも上記を実現する道を開く可能性があるが、ビットコインに少しひねりを加えたものになるかもしれまない。
Anduro は、イーサリアムやソラナのブロックチェーン上に存在する RWAを単にビットコインに切り貼りするのではなく、「ビットコインユーザーが理解できる」ものを提供したいと考えている、と同氏は述べた。
「トークン化された国債が欲しいビットコインユーザーは、オンドファイナンス(Ondo Finance)を介して簡単にアクセスできる。そこで、なぜ我々はオンドファイナンスの競合を作る必要があるのか」と、同氏は CoinDesk とのインタビューで述べた。「アメリカンウイスキーなど、すぐこれと分かるような伝統的でハードを扱った業界にチャンスがあると考えている。」
ビットコインの動向に影響される上場マイニング企業
ブロック報酬が 4 年ごとに半減することに対して各マイニング企業が手数料収入の新たな源泉を見つけようとしているという傾向を、マラソンがAnduroを生み出したことは物語っているのかもしれない。
ビットコインのマイナーは、同ネットワークに新しいブロックを追加するために数学的な問題を解く競争を行い、その見返りとして新たなビットコインで報酬を得ている。受け取る額は4年ごとに半減し、最後に半減したのは今年4月で、報酬は3.125ビットコインに落ちた。
このプロセスはビットコインの価値保存としての強さを支えるのに役立つが、収入源が4年ごとに実質的に50%削減されることを考えると、マイナーにとっては課題となる。
「特にマラソンは上場しているマイナーであり、株価はビットコイン価格と高い相関関係にあるため、価格を引き上げ、採用を促進するための新たな方法を見つける必要がある」とデュラン氏は述べた。「ビットコインの使用者が増える世界は、取引手数料が増える世界であり、同エコシステム全体が向上する世界である。」
|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:eitamasui/Pixabay
|訳文:ビットコインマイナーマラソンのAnduroがトークン化プラットフォームを発表、まずはウイスキーから