バイナンスが日本市場参入、ブロックファイが破産申請【今週のトップニュース】 | coindesk JAPAN | コインデスク・ジャパン

FTX崩壊の影響を受け、アメリカでは業界が大きく変動するなか、その動きが日本にも伝播してきたといえそうだ──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。

中央集権型取引所は、暗号資産(仮想通貨)取引高の大部分を占め続けるとJPモルガン・チェースは指摘。FTX崩壊を受けてDEX(分散型取引所)への移行が進むと予想する一部の暗号資産専門家と逆の意見を述べた。

取引速度の遅さ、資産のプール、注文のトレーサビリティ機能は、DEXの機関投資家への普及を妨げる可能性が高いと同行のストラテジストは11月24日の顧客向け文書に記した。

イーサリアム(ETH)は米東部時間11月28日朝、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)への大量の流入が伝えられるなか、下落した。

クジラ(大口保有者)が7万3224イーサリアム(約8567万ドル、約118億円)をバイナンスに移動させたとオンチェーンデータを分析しているLookonchainがツイートした。

暗号資産(仮想通貨)レンディング大手のブロックファイ(BlockFi)が11月28日、米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請した。

申請書類によると、債権者は10万人以上。資産と債務はどちらも10億ドル〜100億ドルの範囲という。最大の債権者は、Ankura Trust Companyで債権額は7億3000万ドル。第2位はFTX USを展開するWest Realm Shires Inc.で2億7500万ドル。SEC(米証券取引委員会も3000万ドルの債権を持っている。

暗号資産(仮想通貨)ファンドは、2週連続の資金流入から反転し、資金流出となった。コインシェアーズ(CoinShares)が11月28日に発表したレポートによると、暗号資産ファンドは2300万ドル(約32億円)の流出超。

FTX破綻後の数週間、暗号資産は下落したため、投資家は暗号資産ファンドを購入していた。だが先週、価格が横ばいとなったため、傾向は逆転したようだ。

LINEは11月28日、2020年に設立したアメリカの暗号資産(仮想通貨)取引所BITFRONTを閉鎖すると発表した。今後は、独自ブロックチェーンと独自トークンに焦点をあてるという。

「急速に進化する業界においてさまざまな課題を克服する取り組みを行ってきたが、LINEブロックチェーンエコシステムとLINKトークンエコノミーの成長を継続させるために、残念ながらBITFRONTを閉鎖する必要があると判断した」(BITFRONTの発表文)

フランスとルクセンブルグは、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を進めるなか、1億ユーロ(約140億円)相当の債券の決済を完了させたと11月29日に発表した。

今回の取り組みであるVenus Initiativeは「デジタル資産がユーロ圏内において、1日以内に発行、配布、決済できることを示し」、「適切に設計されたCBDCが、ヨーロッパでの安全なトークン化金融資産の発展において重要な役割を果たすことが確認できた」とフランス銀行(Banc de France:中央銀行)の金融安定・運営総責任者のナタリー・オウファブレ(Nathalie Aufauvre)氏は声明で述べた。

ソニーは、小型のセンサーとスマートフォンアプリのみで、アバターとリアルタイムに連携できるモバイルモーションキャプチャー「Mocopi(モコピ)」を11月29日に発表した。

頭、腰、両手首、両足首の6カ所に装着する小型のカラフルなセンサーを使って、人の動きをリアルタイムに捉え、アバターとリンクさせることができる。映画『アバター』や『アベンジャーズ/エンドゲーム』などでキャラクターを動かすために使われた、いわゆる「モーションキャプチャー」を手軽に実現できる。

LINEの暗号資産事業やブロックチェーン事業などを担うLINE Xenesisは11月29日、同社が展開するNFT総合マーケットプレイス「LINE NFT」において、「ホルダー限定コンテンツ」の提供を翌30日にスタートさせると発表した。

トークン発行型クラウドファンディングサービスを展開するフィナンシェは11月29日、「FiNANCiE」で活動中のエンタメDAOプロジェクト「SUPER SAPIENSS」のNFT展開において、1BLOCK LABとの協業をスタートさせたと発表した。

SUPER SAPIENSSは、堤幸彦氏と本広克行氏、佐藤祐市氏の映画監督3人とともに取り組む日本初のエンタメDAO(分散型自律組織)プロジェクトだ。

バイナンス(Binance)は11月30日、サクラエクスチェンジビットコインを100%買収し、日本市場に参入したと発表した。買収取引の詳細は明らかにされていない。

サクラエクスチェンジビットコインも同日、発行済み株式をすべて、バイナンス・ホールディングス(Binance Holdings Limited)に譲渡したと発表。リリースによると、同日より新体制に移行、代表取締役には元Kraken Japan代表の千野剛司氏が就任した。ユーザーには手続き等は発生しないという。

2022年最後のFOMC(連邦公開市場委員会)で、FRB(連邦準備制度理事会)は50ベーシスポイント(0.5%ポイント)の利上げをする可能性が高いと、パウエルFRB議長は11月30日に示唆した。過去4回の利上げは75ベーシスポイント(0.75%ポイント)だった。

「利上げペースを緩和する時期は、早ければ12月の会合になるかもしれない」(パウエル議長)

Web3領域でグローバルに投資する香港のアニモカブランズ(Animoca Brands)は、メタバースビジネスに投資するために20億ドル(約2800億円)規模のファンドを設立する。同社共同創業者のヤト・シウ(Yat Siu)氏がインタビューで語ったとNIKKEI Asiaが11月30日に伝えた。

アモニカキャピタル(Animoca Capital)を設立し、2023年に最初の投資を行うという。ファンドは「デジタル財産権に関するすべて」に焦点をあてると同氏は付け加えた。

米暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)は、市場低迷に対応してグローバルスタッフの30%(約1100人)をレイオフすると11月30日に発表した。

「年初から、マクロ経済的要因と地政学的要因が金融市場の重荷になっている。この状況は、著しく低い取引高と利用の減少を招いた」と同社はブログに記した。

メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグCEOは11月30日、ニューヨーク・タイムズのDealBook Summitで、長期的な「5年から10年の視点」で見れば、メタバースについては楽観的だと述べた。

「我々のコミュニケーション方法は、よりリッチで没入感のあるものになる」と同氏はバーチャル・インタビューで述べ、VR(仮想現実)とAR(拡張現実)が支配する未来に賭けていることを改めて強調した。

暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の最高戦略責任者パトリック・ヒルマン(Patrick Hillman)氏は、暗号資産市場がDeFi(分散型金融)に向かっているため、同社の中央集権型取引所は10年以内になくなるかもしれないと12月1日、CoinDeskに語った。

FTX破綻の影響が広がるなか、バイナンスは顧客の資産が安全であることを示す「プルーフ・オブ・リザーブ」を導入することで、顧客の信頼を維持しようとしている。だがそのプロセスには時間がかかるとヒルマン氏は述べた。

NFTマーケットプレイスのマジックエデン(Magic Eden)は、ロイヤリティ(クリエーターに支払われる2次流通の手数料)に関する方針を変更。新ツールの使用を選択したクリエーターへのロイヤリティ支払いを必須とするプロトコルをスタートさせると12月1日に述べた。

「オープン・クリエーター・プロトコル(Open Creator Protocol:OCP)」は、ソラナ(Solana)ブロックチェーンのトークン規格SPLで構築されたオープンソースツール。新たにコレクションを発表するクリエーターは、ロイヤリティ支払いを必須にできる。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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