著者 松田康生（まつだやすお）楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
ポイント
・41,000ドル割れ
・SEC、コインベースの規制明確化の訴え却下、同社が異議申し立て、行政訴訟に
・FRB高官から利下げ期待へのけん制続く
・再びCME先物で窓開け、先週の急落が意識される
週末のBTC相場
週末のBTC相場は上値の重い展開。
金曜日に43,000ドル（約610万円）で上値を押さえられると、42,000ドル（約595万円）を挟んでのもみ合い推移を続けたが、今朝方41,000ドル（580万円）を割り込んだ。
BTCは、ハードウェアウォレット、レッジャーのハッキングで木曜日から金曜日にかけて42,000ドルを割り込んだが、ゲンスラーSEC委員長のETF検討発言もあり切り返すと金曜日には43,000ドルにワンタッチした。
しかし、ＮＹ連銀のウィリアムズ総裁が、現時点で実際に利下げを協議している訳ではなく、3月利下げについて考えるのは時期尚早と市場の見方を牽制すると、BTCは42,000ドルを割り込み、更にSECがコインベースの規制明確化の訴えを却下すると41,000ドル台半ばに値を下げた。
しかし木曜日に付けた安値付近でサポートされると、コインベースがSECの処分に対し異議を申し立て、ヴァンエック社のCEOが2024年中での史上最高値更新を予想する中、BTCは42,000ドル台半ばまで上昇した。
しかし、ソラナやカルダノなどのアルトコインの失速、41,000ドル台半ばまで値を下げた。
再び木曜日の安値付近でサポートされると、今朝未明からCME先物の窓埋め方向に上昇、一時42,000ドル台を回復したが、グールズビー・シカゴ連銀総裁が勝利宣言は時期尚早としたこともあり上値を押さえられると失速。
結局CME先物は窓を開けてオープンすると、41,000ドル台半ばのサポートを割込み、41,000ドル前半に下値を切り下げている。
