米CPI報告、リスク投資家はインフレ抑制の兆候に期待 | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
- アメリカの前年比のインフレ率は、3%から2.9%に低下すると予測されている。
- コアインフレ率も0.1ポイント低下し、3.2%になると予想されている。
- 消費者物価指数の報告が予想以上に高い数値を示せば、金利はより長期にわたって高い水準に維持され、リスク資産の魅力が低下する可能性がある。
3月12日に発表されるアメリカの消費者物価指数(CPI)は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下の状況を示す初の報告となり、物価上昇に鈍化の兆しが見られれば、金利引き下げの可能性が高まり、ここ数週間で打撃を受けてきたリスク資産への投資の機運を盛り上げるだろう。
アメリカ労働統計局(BLS)は、前年比で総合インフレ率が3%から2.9%に減少したと発表する見通しだ。また、変動の激しい食料品とエネルギー価格を除外したコアインフレ率も0.1ポイント減の3.2%と予想されている。
インフレの鈍化は金利引き下げの可能性を高め、リスクの高い投資がより魅力的になる。アメリカ経済全体の商品やサービスの価格を測定する消費者物価指数(CPI)は、4カ月連続で上昇している。
ここ数週間で、S&P 500は史上最高値からほぼ10%下落し、ビットコイン(BTC)は約30%下落して8万ドル前後となっている。
トランプ大統領とスコット・ベッセント(Scott Bessent)財務長官は、10年物米国債利回りを引き下げてフェデラルファンド金利を低下させる必要性を強調している。 今のところ、この戦略はうまくいっているようで、10年物利回りは4.8%から4.2%に低下し、ドル指数(DXY)は104を下回り、WTI原油価格は60ドル台半ばで安定している。これは政権の経済計画に沿った動きだ。
一方、Truflation Indexは2020年9月以来の最低水準となる1.35%を記録した。しかし、5年物および10年物インフレ期待率は依然として2%を超えており、トランプ大統領には長期インフレ期待の管理においてまだやるべきことがあることを示している。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のFedWatchツールによると、3月18、19日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)では、ジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長がフェデラル・ファンド金利を4.25%~4.50%に据え置く見通しだ。
投資家はインフレ報告書を注視するだろう。予想を下回る数値が出れば、FRBは金利引き下げを検討する可能性があるからだ。逆に、インフレ率が予想を上回る数値となれば、金利はより長期にわたって高い水準に維持され、リスク資産にさらなる圧力がかかるだろう。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:リスク投資家が冷却の兆候を求めているため、トランプの最初のインフレ報告書