BTC急落も下げ一服感 トレンドライン死守できるか重要な局面【仮想通貨相場】 | Cointelegraph | コインテレグラフ ジャパン
著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
2月27日〜3月5日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比159,657円(4.96%)安の3,057,065円と2週続落した。
320万円を挟み込み揉み合いが続いていた先週のBTC相場だったが、米銀行持株会社シルバーゲート・キャピタルが1日、米証券取引委員会(SEC)への年次報告書(Form 10-k)提出延期を申請したことを契機に、コインベース、パクソス、ギャラクシー・デジタルと言った名立たる暗号資産(仮想通貨)関連企業が同社との提携関係を解消、或いは縮小を次々と発表すると、3日東京時間にBTC相場は一段安を演じ、320万円から302万円まで急落した。
仮想通貨関連企業や投資家の仮想通貨預金を預かってきたシルバーゲート傘下のシルバーゲート銀行だが、FTXとの取引があったことで、同取引所の破産後に引き出しが殺到し、22年第四・四半期には約10億ドルもの損失を計上した。そうした状況で提出されたForm 10-k提出延期申請書には、行政からの規制や調査に関する分析に対応している最中であることが記されていた上、今年1月から2月にかけての追加債権売却で生まれた損失が、シルバーゲート銀行の資本比率を悪化させる可能性を指摘しており、市場では同行の破産懸念が台頭した。
これにより、同社の株価(SI)は1日の時間外取引で急落し、週次では59.73%と暴落。2日時点ではBTC相場に影響はなかったが、2日米時間に数々の関連企業が同社との提携関係解消を発表すると、翌3日の東京時間に急落した。
第1図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成